親愛なるあなたへ
私は飛び出してからひたすら直感を大切にしてきた人間です。
「カン」というのは非科学的であいまいのように思われるけれども、そこには理屈以上の正確さが存在する。
たとえば、バトミントンの大会では、みなシャトルを見ていません。
塾で教えてるバド部の生徒さんにどうやって打つのか聞くと、「体が勝手に動きます」。
相手が左を向いてるけれど恐らくフェイントだから右下でキョリはどのくらいだな、などと計算している時間はありません。
一瞬にして、体全体にビリビリと伝わるカンで目にもとまらぬ次の瞬間「見ることができない」シャトルを見事打ち返す。
ものすごい正確なコンピュータを用いてこれを再現しろと言われても非常に難しい。
理屈、理論は素晴らしいものだけれども、それを遥かに超えた正確性と的確性が我々の中にひそんでいるのです。
世に出る「科学」と呼ばれるものは、故人の「カン」が原理化され体系化されて出来上がったものです。
つまり科学もカンも本来は一体のものであると。
直感の習得。
そのために修練を積む。
修練に修練を重ねて獲得するその直感こそ偉大なものだと、私はそう思うのです。
by You