お金がある、とはどういうことか。景気がいい、とはどういうことか。

親愛なるあなたへ

お金と経済については筆者自身も勉強しながら色々書いてきたのですが、今一度整理して説明したいと思います。

私達が「お金がある」と思うのは、目の前に現金がある、あるいは銀行の口座に数字として入っていることだと思います。

それは間違いありません。

「物理的に目に見えるものがある」ということです。

そのお札や硬貨、数字というのは人間が勝手に作り出したものだから、いくらでも作ることができます。

では印刷機やコンピュータをいっぱい回してお札や数字を作れば「お金がある」のかというと、今度はお金の価値がなくなって紙屑同然になってしまう。

過去ドイツで起こったハイパーインフレと同じ状態に。

そこでもう一つ、お金には「信用度」というのがあるのですね。

「お金とは、信頼である。」という記事でも書いたのですが「目の前のものが信用できる」、ということ。

一万円ならそれが一万円の価値がある、一万円出せばこれだけのものと交換できる、とみんなが思えば逆に日銀がいくら刷っても構いません。

「よりお金がある状態」になるだけです。

つまり、お金があるというのは「物理的な量と目に見えない認識的な量が『共に』多いこと」を指します。

物理的な量が多くて信用が少ないとガラクタ貧乏に。

逆に信用はあるけど量が少ないと持っていないから貧乏に。

お金がある状態にするには、この二つのバランスを取りながらともに高めていく、ということになります。

私はお金は無限にあるよ、とよく言うのですがその根拠もここにあります。

物理的な量も認識的な量も全て人間自身が調整できます。

だから、お金は無限にある。

逆に、「お金は本来存在しない」とも書きましたが、人間が作り出したものだからその原点は「ゼロ」、つまり「もともとは存在しない」ということになります。

今の日本には昨年末で1800兆円の金融資産があります。

国が借金している、と言いますが、それは政府が借金しているのであって個人とは関係がない。

日本人1億3000万人の合計の預貯金が1800兆円もある(現金以外に生命保険の積立、株、債権なども含めてですが)ということです。

こんなにお金があるのに今の日本は不況。

じゃあ不況だからお金の価値が下がっているのですかというと、そんなことはない。

先ほどのドイツの例のように買い物行くのにバックいっぱい現金つめこんで、みたいな状況は見られない。

一万円出せば以前と変わらずそれに見合う物が買える。

だからお金の量や価値は上がることはあっても下がってはいないわけです。

それなのに景気が悪い。

これはいったいどうしたことか。

ここでもう一つ、お金のあるなしと経済の良し悪しとは独立した存在であることに気づくと思います。

「景気がいい」とは「お金が流れている状態」のこと、これが現実的な定義です。

経済的な意味で捉えた場合、「お金は流れである」という表現はここにつながることになります。

景気を良くするにはお金を回せばいい。

各人が本気でお金儲けをするアイディアを出せばいいのです。

それが経済を学ぶということ。

21世紀は全員が経済を学ぶ時代。

学ばないとお金が回らずどんどん景気が悪くなるから苦しくなる。

このままいくと日本は潰れて大変なことになると言いますけれども、人間苦しくなれば自然と学び出すから私はそんなに心配いらないと思います。

難しい経済学を学ばなくてもお金と経済については今回の記事を数分で読んでしまえば大体のことが分かってしまうという、とてもシンプルな構造をしているようです。

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