親愛なるあなたへ
現代の精神科医療と呼ばれるものの内情を告発した非常に素晴らしい本をご紹介します。
「精神科は今日も、やりたい放題」(著:内海聡)
書いてあることは本当のことだと思います。
私自身がパニック障害やうつ病経験者であり、かつ大手製薬企業に所属していた経験からしても。
まずはこの本に書いてある現実を直視することでしょう。
ただ、これを読むとすべての精神薬を使うのが怖くなってしまうと思いますが、必要なケース、必要な種類もあると思います。
経験上パニック発作のときにベンゾジアゼピン系薬(私はデパスでした。そのあとメイラックスやコンスタンへ)は非常に有効です。
地獄の気分から救ってくれる薬です。
この本ではSSRIをこき下ろしていましたけれども、確かに昔心療内科の先生に説明していただいた理論が「仮説であった」とは夢にも思わなく「騙されてしまった」ということがこの本により発覚したのですけれども、ただ製薬企業の臨床開発に身を置いていた側からすると、たしかにこの本で書かれていることは間違っていないのですが、それでもあまりにも有意差がない場合はきちんと研究自体をやめますし、国に承認申請する際にはプロトコール自体の問題もあるかもしれませんが、それでも製薬企業の利益と治験の有意差の両方をなんとかバランスを保ちながら研究しているような感じがします(もちろん経験上ヤバいのもあると思います。)
そうするとSSRIをしばらく飲み続けて効果を得られたというのは、プラセボ効果もあるとは思いますが、「理論は間違っていた」としても「有意差があった」何かしらの好影響を頂戴しているものと考えています。
依存性や脳への副作用はあると思います。
ただ、それを言い出せばすべての薬はなんらかの副作用はあります。
私自身は大学院入学の頃から最初の会社を飛び出すまでの約5~6年服用した後、10年前にすべての薬剤を無理矢理やめて今日に至りますが、それは精神科への反抗からではなく個人の内的なものなのでそれが結果として功を奏したのかはわかりませんけれども、現在こうして健康に生きられています。
薬には「相性」もあります。
非科学的なことかもしれませんがこれは存在すると思います。
結論としてはこの本の現実を知って、苦しかったら薬を飲む、それを飲むことによって今この瞬間の地獄を回避するために飲む、という感じですね。
SSRIの服薬のように中長期の場合は自分の気分を見ながらこの本に書かれているとおり減薬を視野に入れる。
そして権威、常識、専門、という言葉に惑わされずに、自分の感覚を信じること。
著者の内海聡先生もそのことをよく分かって書いていらっしゃるように思います。
「やくざ医師」と評され、自分でもその認識ありと書いていらっしゃいましたが、私個人はこういう先生が本当に愛情のある先生だと思います。
精神科の裏側だけではなく、今の日本に欠けているもの、今の日本人が見落としているもの、そして人生を生き抜くために必要なことを鋭く切り込んだ過激な名著であります。
by You