親愛なるあなたへ
普段の会話だけでなく都市計画についても「乙な部分」を残すのは、大阪の「面白心」「遊び心」を象徴する非常に味わい深い文化であろうと思っているのです。
現在の日本のビルで最も高い「あべのハルカス」が臨む、大阪市天王寺区。
ここには全国では数少なくなった路面電車が走っています。
文明開化の明治から続く天王寺区の歴史を知り尽くした鉄道でもあります。
現在、最新鋭の超低床車両を取り入れて運行する中、全車両のうちただ4両、その重厚感、望郷感を誇る、日本において定期運行される最古の電車が存在するのですね。
「阪堺電気軌道モ161形」と名付けられた型番の車両。
それはまさに「the・昭和」の代名詞がふさわしい。
片や日本一、片や日本最古。
東京につぐ日本屈指の大都会にあるこの味わい深さというかひねりの余裕というか、そういう「ステータスだけにこだわらないスタンス」を崩さない大阪に、私は心から尊敬の念を覚えるのです。
by You