最後の予防。

親愛なるあなたへ

はじめて橋下さんが知事に当選された日に大阪に来て、そこから十数年大阪をずっと見てきて本当によくなったとこれは間違いなく言えることです。

正直言うと、大阪に来たとき大阪はもっと元気な街だと思っていましたが「意外に暗いな」と思ったのが九州から移ってきた当時の印象です。

二度目の大阪都構想の否決、この分析について橋下さん、松井市長、吉村知事の対談を聞いていて「なるほどなぁ」と思ったのは、そもそも都構想は大阪府・市の二重行政をなくして財政赤字を改善することで活性化していく、という目標であったわけですが、大阪維新の会議席を取って、知事市長一体で改革すること10年。

都構想が正式に認められてはいないものの、今の内実は二重行政を解消して財源を確保するという結果を出してきた「バーチャル都構想」がすでに実現しているわけです。

これを十数年前に小学生や中学生だった方が二十歳近くになり、今回の有権者の一助を担っているところに、若い世代の「反対」の票が見られたということは、二重行政でぐちゃぐちゃだった当時を知らない・もしくは認識できなかった世代が「今のままでもいいんじゃないの」という意見があるのは当然だ、という橋下さんの解説にあらためて視野の広さに感服するとともに、非常に納得する思いがしました。

今回の都構想の目的は、その府・市の協力体制が吉村知事と松井市長の維新の会一致団結のもと行われていることが、いつかまた破綻するのを予防する「最後の手術」にあたるようなもので、すでに今まで実行された改革(薬)で体調(大阪の状態)がよくなったのであれば、わざわざよく分からない都構想などというもの(手術)をする必要などないと思うのではないか、という橋下さんの分析は、人間の心理を見抜く非常に鋭い視点である、と。

確かに心理学として、人間はそう思うと思います。

大阪に長年住まれている、もしくは大阪生まれの方々には特別な想いがあるのだとは思います。

ただ、本当に治るには、最後の最後の詰めをしないといわゆるずっと薬を飲み続けるようなもので、最後の予防というのは、そこは怖くても一歩を踏み出さないとずっと今のままなのだと思うのです。

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