長距離移動の生徒さんの強さと駅員さんの優しさ。

親愛なるあなたへ

旅先で、行政上の理由やその地域の状況などにより「長距離通学」をされる生徒さんによくお会いします。

片道1時間以上電車に乗って(「電車に乗ってる」時間だけで)通っている生徒さんは普通にいる。

1時間半、2時間なんて生徒さんも。

それが毎日の日課でいつも通りのことなのかもしれませんけれども、そこに「不便」という文句を言わず、一時間に一本あるかないかという交通手段を乗りこなしている。

片道1時間近いという人は意外に都会にもいるかもしれないのですが、一時間に何本も電車があれば乗り逃したときのリスクに対するストレスはないことでしょう。

しかし、「距離・時間」と「時刻表に敏感」という二つの要素に耐えられるというか、そういう姿に「強さ」という、都会に慣れてしまった小生には到底敵わない「強さ」を見出すのでありますね。

私も地方出身なので以前はその強さがあったのかも分かりませんけれども、なに人間弱いもの。

一度「便利な味」を知ってしまったらこれはとことんひ弱になります。

普通の顔して淡々とその強さを発揮する自分より二回り近くも年が若い方々に心から敬意を払う。

そして今度は、その生徒さんを応援する駅員さんの「優しさ」。

今回のお宿は、和歌山は本州最南端の温泉の街「串本町」にお世話になったのですが、その串本駅の改札に駅員さんからの手書きのメッセージが。

まさに共通テスト前後にお伺いしまして、その心からの激励のメッセージに胸うたれる。

都会にそれが絶対ない、地方にはそういう要素が必ず備わっている、とは言いませんけれども、「これまでを切り開いてきた人たち」と「これからを切り開く人たち」の強さと優しさが織りなす素敵な光景に出会ったと、そんな旅でありました。

こういう素敵な光景に出会うために旅をしている、というのも一つあるように思います。

by You