神仏習合。

親愛なるあなたへ

熊野は「はじまりの地」。

我々は神を拝めば仏も拝みます。

宗教により神の定義・仏の定義が詳しくあるそうですが我々は普段その区別をあまり気にしませんね。

それが日本の大らかさだとこのように思うのです。

神も大事で仏も大事。

そのどちらが上でどちらが下、という概念がない。

おかしな話に聞こえるかもしれませんが宗教の歴史上これはいろんな論争があったそうなのですね。

しかし今我々はそれらを包含する道の上を歩いています。

神仏習合」。

「習い合う」という言葉の通り、二つの世界観が一つに溶け合いそこに統合された「和」がある。

熊野は修験道(しゅげんどう)という、山へ籠もって厳しい修行を行うことで悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰発祥の地であり、これはまさに日本の神道(神)と仏教・密教(仏)が一つになって生まれた、和合されることによって生み出された独特の宗教観であると。

普段神様とか宗教とか、そういうのを考えないけれども、初詣や願掛け、あるいは結婚式やお葬式、そういうとき「大いなる存在」に誓う場面で私たちの根底に流れている「習合の文化が生まれた地」、そういう特別な空気が時代を越えて熊野には流れ続けています。

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