根を守る。

親愛なるあなたへ

物事の本質を見極めるための練習として「特定の観葉植物」を育ててみる、という内容をご紹介したいと思います。

それはサンセベリア」。

以前我が家の一員であることを書いたのですが、このサンセベリア、冬越しするのがすごく難しい。

もともとナイジェリアやコンゴ共和国という乾燥地帯が原産の植物で、最低温度が10℃を下回ってしまうとダメになってしまうとのことですが、もし部屋の中でそれ以上の温度を保てそうであれば。

冬越しの失敗は「水」なのですね。

「水」をやりたくなってしまうのです。

「寒い間はサンセベリアがどんなに可哀そうでも水をやってはいけないよ!」と再三ネット情報で警告を受けているのですが、やりたくなってしまうのです。

なんか葉っぱが丸まって薄くなって、中には自重に耐えられず途中で折れてしまうものもあります。

その折れたところからは再び葉は伸びてきませんし、もう見た目も貧弱で「非常に可哀そうに見えます」。

それでも水をやってはいけないのですね。

「得意分野。」という記事でも書いた通り、サンセベリアは水が枯渇した状態に対して異常なまでの耐性を発揮します。

そこでもご紹介しましたが、サンセベリアが水がなくて枯れるときは先っぽからちょっとずつ枯れていきます。

それでもそんなことは滅多にありません。

寒さで冬越しに失敗してしまったサンセベリアを株も根もないただの葉っぱの状態でとっておき、かつ極限の薄さになって初めて先っちょから少しずつ枯れ始めます。

でも、その葉っぱも今暖かいところで水差しして見事に発根して復活しました。

それくらい乾燥に対して強い植物です。

なので、どんなにこちらが「可哀そうだ」と思っても、水はNG。

寒い時期に水をやってしまうと根腐れを起こし株が一気に枯死します。

大切なのは見た目ではなくて、土に隠れて見えない「根」を守ること。

たとえ葉が薄くなって自重に耐えられず折れてしまっても、株が生きていれば暖かくなってから再びそこから新芽を出します。

これほど見た目に左右されず、目に見えないところに注目する訓練が必要な植物もなかなかないのではないでしょうか。

サンセベリアで是非インテリアグリーンを一度楽しんでみては。

p.s.

寒いときでも室温のコントロールと水の量で上手くいくときもあります。

ビル内で営業している観葉植物のお店では「冬でもお水は少しやってくださいね」とアドバイスされることもあると思うのですが、それはビルが24時間365日完全空調管理されているからです。

ただ、通常の住宅では仕事で外出時、夜寝るときなど暖房は切りますから、そのやり方はなかなか通用しませんので注意してくださいね。

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