JRのすごさ。

親愛なるあなたへ

私は、世の中に存在するあらゆる会社の企業努力は大変なものだと思っています。

社会経済の大動脈となる企業の基本的な役割は「利益追求」です。

利益追求という言葉に眉をひそめる人も多いと思いますが、我々が今日こうして便利な生活ができるの間違いなく企業がその基本的な役割を全うしているからに他なりません。

なので、利益が出ないことは避けるのが一つの「企業努力」。

しかし、それ以上の過酷な世間からの追求を全面に受け、それに日々応えようとする団体があります。

「JR」。

1987年、旧国鉄から分割民営化されて現在の形に。

政治的背景は諸々あるとは思いますが、当時の国鉄が抱えた巨額の累積債務を清算し再出発するという命題から眺めてみれば、JRも間違いなく一つの利益追求団体でありましょう。

しかし、それとは別に「社会に根差している」という顔も持っています。

儲からないからこの鉄道を切る、ということが簡単にできない。

このトラブル処理の経費は多額になるから運休、などということができない。

「地域の足」という事情を考慮し、トラブルがあったときは自分たちが悪くなくても謝り、莫大な金額をかけた復旧を即座に行い、その上で日々の安全運行と驚くほどの定時性、そしてハード・ソフト両面における研究開発と、それだけのことを世間に叩かれることはあっても賞賛されることはない中、淡々と乗り越えていく。

「いつも通りであることに全力で取り組みます」「いつも通り運行できたことが私たちの喜びです」というJRのポスターを拝見したときに、頭が下がる思いがしました。

先日、未だ雪の残る北海道へ足を運んできましたが、経営が厳しいとされるJR北海道が多額の除雪費用を投じ、誰に知られることもなく真夜中に何百キロという区間ラッセル車を走らせ、地域の足として貢献する。

我々が当たり前だと思っている毎日の光景の下に、「利益を追求すればいい」「日々商品やサービスを改良すればいい」とは全く別の、一種の矛盾・無理難題の山を乗り越えた百戦錬磨の企業体ここにありと、規模は違えども同じ経営者という星のもと、一個人事業主として声を大にしてここにお伝えしたいのであります。

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