「すごい」と「さすが」。

親愛なるあなたへ

これは言葉の綾かもしれませんが、「すごい」よりも「さすが」の方が賞賛の言葉として「相手に逃げ道を作ってあげられる」ような気がします。

たとえば、職業柄で言えば難しい問題が解けたりいい点数を取ったときに「すごいね」と評価された後、成績が落ちてしまえば「そういうこともあるよ」とフォローが入っても、恐らく相手は「慰められているような」気がする。

それは暗に「すごくない」というメッセージが無意識に含まれてしまうからだと思うのですね。

ところが、「さすがだね」と言われた後に成績が落ちて、「そういうこともあるよ」とフォローされたときは、「さすがじゃない」という言葉が存在しないため、相手の価値を下げないように感じる。

言葉遊びのようですが、実際に言葉に含まれる意味を吟味してみたときに、「すごい」とは「今回たまたま」、「さすが」とは「もともとそういう能力を持っている」というニュアンスを含むのだとすれば、たとえそうでなかったときも相手の価値観を下げない賞賛の仕方なのではないかと、ふと思いました。

by You