背中を見せて逃げる理由。
親愛なるあなたへ
人生では逃げるときが必要。
そのときに「後ずさり」せずに「背中を見せて全力で逃げる」ことが有効、と書いたことがあります。
それを「気」の観点で考えてみますと、実は背中の方が気に鈍感だからなのですね。
物理的な話に置き換えると分かりやすいと思うのですが、お腹を殴られるよりも背中を殴られた方が「痛くない」。
これは少し前にyoutubeをご紹介した武術家の先生が他の動画の中でもおっしゃられていることなのですが、「背中の方が痛みに鈍感なのです」と。
気という目に見えない精神性上の話でも同様のことが言えて、背中の方が気に鈍感。
逃げる時のもっとも大きな障害が相手からの念(それが嫉妬心であれ依存心であれ敵対心であれ)ですから、たとえどんな念が飛んできても背中を向ければ「無視しやすい」のです。
「後ろ髪を引かれる思い」という言葉がある通り、背中を見せても逃がさないぞという、強烈な念も存在するわけなので、これが「前を向いて後ずさり」したらどうなるかは想像がつくでありましょう。
物理的な攻撃はある程度の距離を保てば大丈夫なのですが、念の場合はひたすら飛んできますから、心の姿勢として背中を見せて全力で逃げるのはこの上なく有効な方法なのです。
背中を見せるのはカッコいいとか悪いとか世間的体裁の問題なのではなく、動作の効果を最大化させるための完全合理主義に基づいた方法であるわけですね。
by You