親愛なるあなたへ
人間の平均寿命は80年と言われるご時世です。
これが長いか短いかは個人的見解の分かれるところですけれども、昔よりは確実に長くなっています。
医療が発達し、いい薬もどんどん出てきました。
長寿社会に向かっていますが、果たしてそれが幸せと結びついているかというと、なかなかそうでもないのです。
これだけ豊かになったのに、長生きしたくないと答える人もいます。
若いのにそんなこと言うなよと言いたくなってしまうけれど、本当にそうなのです。
生きるのが苦しい。
苦しいのに生きてる意味があるのか。
そう考える場合もあります。
だから、短くても大丈夫。
生きる時間は問題じゃないんです。
人の一生は一刹那。
悠久の宇宙から比べたらほんの一瞬です。
刹那っていうのはお釈迦様が決めた単位なのですね。
一回拍手する中に65個の刹那があると言います。
およそまばたき一回分です。
そのまばたき一回分の中に人の全てが詰まっています。
生活してまばたき一回が長いとか短いとかありません。
それと同じです。
命を軽く扱ってもいいということでは全然ないのだけれど、一刹那を思えば心が軽くなる。
人生とは何か、生きるとは何かをひたすら悩むけど、一刹那を思えば全てが救われる。
そういうことなんじゃないかと思うのですね。
by You