親愛なるあなたへ
時間の長さは一様ではありません。
光の速さに加速した宇宙船に乗って一日旅行すると、地球では何十年も時が進んでいるという現象が起きます。
時間には、密度という概念が存在するのです。
光速の宇宙船に乗らなくても、時間の密度は感じることができます。
楽しいことをしている時間は、あっという間に過ぎます。
ツマラナイ時間は、延々長く感じられます。
究極は、眠っている時間です。
深い睡眠状態に入っていると、目覚めるまでは一瞬の出来事です。
何時間もの時間を、一瞬に感じるのです。
時間に密度があることが分かったら、日常生活に応用しましょう。
その一つが、会社・組織です。
一つの会社に長くいればいるほど、見えてくるものがあると言います。
仕事というものは無限に深いものですから、一つの仕事を修練すればするほど、見えなかったものが見えてきます。
しかし、組織では、濃い密度で時間を過ごすと、ある日卒業する時期が来ます。
僕は、3年半で前の会社を辞めました。
わずか3年半の間に3つの部署を渡り歩き、6人の部長の下で働いてきました。
リーダー会議に出席していたので、実際に関わったリーダーの方はその5倍くらいいます。
部署名の変更を含め、今手元には10枚の辞令が記念としてとってあります。
前の会社にいた頃は、一つの会社に居続けることで見出せるものがあると思っていた。
でもあるとき、卒業式を迎えた。
組織の生き方と、自分の生き方が違うことに気づいたのです。
自分の生き方に気づきながら、組織の生き方に合わせる人がいます。
長く勤めることで人間関係や勢力図を知り、将来の出世に望みをかける人もいます。
それでもいいのです。
良い悪いの問題ではありません。
僕は、自分の生き方を選択した。
時間の密度が、早く僕にそれを知らせてくれました。
組織に何年いるかは、問題ではないのです。
感性を研ぎ澄ませれば、一日勤めただけでも会社の流れは分かります。
密度の濃い時間を過ごすと、密度が濃い答えが返ってくるのです。
by You