果報は寝て待つものではなく、取りに行くもの。

親愛なるあなたへ

「果報は寝て待て」という諺があります。

果報とは前世の行いから現世で受ける報いのことで、転じて運のことを指します。

でも、諺を文字通り捉えてしまうと運はやってきません。

「果報は寝て待て」というのは、タイミング・時運を待つということです。

何もしないことではありません。

世の中には抗うことのできない力が存在するから、時を見計らうことが大切だと説いているのです。

何かを成し遂げるには時運に乗っていくことが大切ですけれども、それを見つけるのは自分自身です。

そして、たとえ見つけることができてもそれに見合う実力や器が育っていなければものにはできません。

だから、果報を受け取れるように自らを鍛えていくのです。

運命とは最初から決まっていて動かないイメージがあります。

人間が運命を与えられて生まれてくるのだとしたら、自分で変えられないようなカンジがするからです。

与えられるものは変えられないということではありません。

与えられた運命は、こちらから迎えにいくものです。

「運命はどこかよそからやってくるものではなく、自分の心の中で成長するものである」

ドイツの作家、ヘルマンヘッセの名言です。

果報を寝て待つというのはその場から動かないのではなくて、実力を蓄えるという積極的な忍耐の姿勢なのです。

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