親愛なるあなたへ
以前、私は独裁というのはよくないものだと思っていました。
リーダーのあり方についてずいぶん偉そうなことを書かせていただいたのですが、その中でも独裁について否定的な書き方をしています。
組織における異端分子の必要性についても触れてきました。
今まで書いてきたことはそのときの正直な意見なのでそれはそれで間違っていないと思っています。
ただ、実際の経営となると独裁というものが別の顔を見せるようになってくる。
というのも、組織というのは一つの方向性を持たせなければいけないので、いわゆる「トップダウン」というのは必須条件なのである。
みんな好きなようにやってください、では経営にならない。
「うちはこうですよ」という明確な理念を伝えて実行してもらう必要がある。
それがいいものであれ悪いものであれ、そこには明確な独裁権が存在します。
私は人のやる気を削いだりいじめたり、「人間道」に反したことをするのは「悪」ですが、仕事としての一生懸命さ、そして自分の責任を全うする「善の独裁」というのはやはり必要だと思うのである。
そして、それに反する人間はしっかり辞めてもらう。
異端分子が必要なのは、組織が巨大化しすぎてトップの理念が行き届かないときに下から光を当てる必要があるから。
そういう人間が現場で暴れてたとえ一時的に利益が落ちたとしてもそれを見抜いて抜擢していく、そのために必要な存在です。
ただ迷惑をかけるだけの人間は異端児ではなく害悪ですから容赦なく排除しなければなりません。
真の経営者ならどちらかを見分けるのはわけないことです。
私も10社近くでもめごとを起こし続けても鈍感なのは自分なりの善意の独裁者としての顔があるからなのかもしれません。
善意ならば独裁権が必要である。
最近ではありますがそう思うようになりました。
by You