親愛なるあなたへ
僕は前の会社で、本部長を議長としてリーダーが出席する会議の事務局をしていました。
その中では、社内秘の情報についても取り扱います。
毎回メールで送られてくる会議用資料を取りまとめて、準備します。
ある日、事務局にもマル秘の情報が添付ファイルで送られてきました。
僕はメールの内容から、知ってはいけない情報であることが分かったので、添付ファイルを開かずに削除しました。
すると、やはり配信元の部署から削除依頼の電話がかかってきました。
使用していたメールシステムは、メール開封の有無だけが配信元に通知されるので、添付ファイルの処理までは分かりません。
ですから、こっそりマル秘情報を見ることもできたのです。
でも僕は見ませんでした。
どんな理由で事務局に選抜されたにせよ、「信頼」を傷つけたくなかったからです。
すると、しばらく後の会議で、本来は事務局が下がるべき議題で、参加許可が下りました。
もちろん社内秘で、リーダー以外でその情報を知ったのは僕だけでしょう。
信頼は、目に見えませんが、周囲には必ず伝わります。
大切な情報、重要な情報は、信頼できる人に集まってくるのです。
by You