親愛なるあなたへ
下っ端の意見というのは、通りにくい。
「この世界のことを何も知らないくせに」と言われてしまうからです。
それは、正しいです。
でも、長年同じ環境にいると気づかないことも出てきます。
知らず知らずのうちに、その世界が全てだと思うようになるからです。
下っ端の意見が通らないようになると、その組織は必ず衰退します。
売上がどう、ということではなく、組織体質が弱体化していくのです。
年功序列型の企業だけが危ないのではありません。
完全実力主義の下でも、起こり得ます。
実力主義は、文字通り「仕事ができてナンボ」の世界です。
ですから、仕事ができない人の意見は通りません。
周りが認めないからです。
「あいつ仕事もできないのに、何言ってるの?」となります。
上司からも「仕事ができないうちは雰囲気が悪くなるだけだから、黙っとけ」と怒られてしまいます。
でも、社会は、その仕事ができる人だけで構成されているのではありません。
ありとあらゆるものが複雑に絡み合ってできています。
現代は、変革が激しい時代です。
世の中の流れに乗っていくためには、ありとあらゆる可能性を試していかなければなりません。
実力主義であっても、新入社員の意見に耳を傾けられる企業が、伸びていきます。
新入社員は、何の偏見もなく、企業内の流れを適切に評価してくれるからです。
具体的な情報を与える、ということではありません。
考え方や感性、方向性といったものを、日常会話の中でメッセージとして発しているのです。
リーダーは、その微妙なサインに敏感にならなければなりません。
オラオラの根性論でやってきたところに、戦略作戦が得意な新人が入ってきても、「すぐ口だけが出る」と非難してはいけないのです。
全て、意見だからです。
意見は、「違う」と感じたところから生まれます。
「意見の食い違い」は、企業内の流れと外部の流れの補正作業です。
補正作業をどれだけ取り入れられるかが、生き残りのカギになります。
オラオラ根性をなくす必要はありません。
知的戦略が得意なオラオラ根性の人材で作ったチームは、最強なのです。
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