不安定は悪者ではない。不安定さを、定着させるのだ。

親愛なるあなたへ

不安定な生活は悪いことではありません。

日本では、安定は善で、不安定は悪だという勧善懲悪の概念があります。

でも、不安定は悪者ではありません。

大切なのは、不安定をどう切り抜けていくかです。

ユラユラしている状態を、自分の普段のライフスタイルとしていかに定着させていくかです。

不安定を定着させるのは、安定になることではありません。

相変わらず、ユラユラしています。

でも、不安定を切り抜ける練習をしていると、バランス感覚が分かるようになってきます。

その一瞬一瞬で、自分の重心がどこにあるのかを意識できるようになるのです。

不安定さを定着させるのは、スキーやスノーボードをするのに似ています。

ウィンタースポーツは、生身の体で時速数十キロを出していますから決して安全ではありません。

山の斜面や雪の質感を、その一瞬一瞬感じることによって、不安定な要素を膝のクッションで吸収していくわけです。

苦手な人は、高いところへ連れていかれると安定したゴンドラで降りてきてしまいますが、本当は、チャレンジした方がバランス感覚を養うことができるのです。

不安定というのは、エネルギーが高く、ゆらいでいる状態です。

化学の世界では、安定というのは何も変化しませんが、不安定というのは新しい物質が誕生する可能性を秘めています。

不安定さは、悪者ではなく、可能性です。

そして、その不安定さそのものも自分自身の中で消化していけば、怖いものではなくなるのです。

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