親愛なるあなたへ
癒しという言葉が、僕は嫌いです。
人を本当に癒すことは、究極に難しいからです。
外部の傷というのは分かりやすいですけれども、心にできた傷というのは矛盾に矛盾を塗り重ねてできた未知の領域です。
心理カウンセラーが心療内科の一環として心のケアをしていますが、あれで人の心が癒されることは、ありません。
相手を癒すには、自分の心で相手の鉄球を受け止めなければなりません。
よく「心の空白を埋める」のがカウンセリングだと言われていますが、そんなものはキレイゴトでしかありません。
本当のカウンセリングは、それこそ有刺鉄線でグルグル巻きにされたトゲ付鉄球を、思いっきり真正面からくらうくらいの覚悟が必要です。
僕の経験上、薬剤での治療は効果があります。
でも、カウンセラーに話をすることで癒されることは、ありません。
経験者同士で語り合うのは、効果があります。
カウンセラーが経験者だったら、その手腕を問われます。
僕は、誰かを癒したいと思ってこの記事を書いているのではありません。
生まれ変わるお手伝いができればな、と思っているのです。
癒すことに比べれば、生まれ変わるお手伝いをするほうがはるかに簡単だからです。
僕は癒しという言葉が嫌いですが、否定しているのではありません。
それは、メンタルヒーリングというのは結局は自分自身でしかできないものだからです。
読書が、一番効果的です。
薬剤ももちろん効果がありますが、それを選ぶかどうかも、結局は自分自身の選択なのです。
路上で言葉を書いて配っている人々は、誰かを癒したいと思っているのではなく、元気になってほしい、と思って活動しています。
相手の心に無理やり入り込んでいません。
だから、言葉を頂いたとき、感動して涙が出るのです。
彼らは相手の心に入り込まずに自分が感じたままを文字におこすので、相手が急に涙を流しても驚いた顔をします。
落ち込んだら、癒しより、元気が出る方法を考えよう。
by You