親愛なるあなたへ
辛いときには下を向いてしまいます。
落ちっぱなしの人は、下を向いています。
極限状況の人は、下を向いていません。
どん底までくると、下を見るのに飽き飽きします。
下を向いていたけれども、何も落ちていないな、と気づくのです。
すると、目線が自然に前を向くようになります。
目線が前を向くようになると「なんだ、前にも道があるじゃないか」と気づきます。
もうちょっと頑張ってみようかな、と思います。
頑張ろうと思うと、今度は2、3メートル前を見ていたものが、10メートル先くらいに目線が行くようになります。
「なんだ、ずっと先にも道があるじゃないか」とビックリするのです。
100メートル、1キロと目線が先に移っていって、そのうち空を見るようになります。
僕は外出するとき、遠くを見ています。
前を向いているけれども、目線は空の、そのまた先を見ています。
高層ビル群が、精巧にできたジオラマに見えてきます。
指で引っこ抜くことができそうです。
下には何も落ちていません。
上を向いて、歩こう。
by You