親愛なるあなたへ
僕がフリーターの道を選んでいる理由の一つ目は自由を選択したから、二つ目は独立のための練習をしているから、そして三つめは自分の価値を一度白紙に戻したいと思ったからです。
一つの組織に属すると必ず会社の看板がついてきます。
ポストが上がると肩書もつきます。
それが世間の信用になります。
でも僕は、それらを一切取り払った白紙の状態になりたかったのです。
どんなにふんぞり返っていても自信にあふれていても、全てはその看板の上に成り立っているものだというのがいかに不安定なことかに気がついたからです。
出世は向上心の表れですから素晴らしいことですが、いつも看板の上に成り立っているものであることを忘れてはいけません。
僕は定年になってからそれに気づいて自分の人生を振り返るのが嫌です。
それよりは、世間での自分のありさまをこの目でしっかりと見て、そこから揺るぎのない土台をつくっていく生き方をしたいのです。
白紙に戻すのは勇気がいります。
でも、自分を白紙に戻す年齢が若ければ若いほどそこからの人生を有効に使うことができるのです。
土台を踏み固めてしまえば、どんな結果であっても「自分の人生は楽しかった」と言えるようになるからです。
土台を踏み固める人は、人の悪口を言いません。
自分の意見を言うけれど、相手の意見を頭ごなしに否定しないのです。
「あなたは間違っている」と言いません。
「僕の場合はこう思う」と言います。
否定するときでも「僕はそれは違うと思う」と言います。
悪口を言うのは、土台がグラグラしているからです。
志のあるフリーターは土台が真っ白で、真っ白だから他人の悪口を言わないのです。
by You