相手が見ているのは内容ではない、本気かどうかだ。

親愛なるあなたへ

僕が初めて就職したのは製薬会社でした。

病院をまわってデータを集めてくる仕事です。

就活での最終面接は役員面接でした。

人事の人を含めて7人だったと思いますが、その中の一人が当時の会長でした。

自己PRを聞かれたので、ラーメンが好きで各地をまわった話をしました。

会長に「美味しかったところはどこ?」と聞かれたので、お気に入りの近くのラーメン屋を答えました。

「そんなに近く?」と聞かれたので「あとは北海道のこのお店が美味しかったです」と答えました。

答えた瞬間に「君はこの仕事に向いている」と言われました。

ラーメンと病院まわりは一見関係ありません。

関係ないのに採用になるのは相手は内容を見ていないからです。

コイツはどれだけラーメンが好きなのか、を見ているのです。

ラーメンのためにどれだけのことができるかということなのです。

僕が二番目に美味しかったお店が遠かったのはたまたまですが、それが行動力と評価されました。

評価されたのはフットワークの軽さかもしれません。

でも、本当は本人が本気かどうかを見ているのです。

ラーメンにそこまで本気になれるなら仕事でも必ず本気になれるからです。

伝えるときに大切なのは話の内容でもテクニックでも駆け引きでもありません。

自分がどれだけのマニアか、です。

マニアは視野の狭くなった落ちぶれなどではなくて、命を燃やすものに出会うことができた人生のヒーローなのです。

by You