褒めるとは、勇気を与えるということ。

親愛なるあなたへ

人を褒める教育があります。

叱るよりも褒める方がいい。

ところが、褒めても上手くいかないときがあるのです。

褒める社員教育が上手くいかないときがあります。

褒め方がいけなかったのか、言い方を変えるべきかと色々言うけど、大切なのはそこではないのですよ。

褒めて上手くいかないときは、褒めるとは何か分からないまま褒めてしまっている。

例えば、自分の意見を言ったときに「偉いですね」と言われたらどう感じるでしょう?

何となく違和感を覚えます。

次に、成果に対して「よくできました」と言われたらどんな感じがするでしょう?

これも違和感を感じます。

簡単に言うと、見下されているように聞こえる。

これを「縦の関係」と言います。

縦の関係が褒める教育の一番陥りやすいワナです。

「偉いですね」「よくできました」という言い方の問題だと思うかもしれないけれど、そうではない。

「よくやった!」と言われても、何故か部下の調子が上がらないことがあります。

それは、部下が褒めてもらおうとして頑張っている。

これが間違いです。

褒めるとは、相手に褒めるのを期待させることではない。

褒めるというのは、相手に勇気を与えるためのものです。

自分ならできるのだという自信を持たせるのが褒めるということです。

褒めるのを期待させるのと自信を持たせるのは、同じようで全然違う。

簡単に言うと、褒めるのを期待させるのは「縦の関係」、自信を持たせるのは「横の関係」です。

お互いが対等な関係でいようと思わないと横の関係はできない。

では横の関係がいいのかと、今度は友達感覚で部下と付き合おうとします。

すると、必ず「取り入る」感じになる。

今度はその下心を見抜いて部下は嫌になる。

これも実は横の関係ではなく、縦の関係である。

取り入ることで相手は動いてくれるだろうという、上から見ている関係です。

じゃあ結局どうしたらいいのか、という話になります。

一言で言うと、褒めるとは、相手を認めて、そして評価しないことである。

この横の関係が、人間の勇気を生み出します。

おそらく寝耳に水のような話だと思います。

評価しないことがどうして勇気を与えられるのか。

人間は評価してもらえるからこそ頑張るものではないのか。

普通はそう考えます。

ところが、これがすでに縦の関係にハマってしまっている。

この関係性を頭で理解するのはすごく難しいと思います。

完全に感覚的な問題です。

人間は自分で何とかしようとする生き物です。

成長が大好きな生き物です。

成長しようと思わないのは、後ろ盾がないから。

認めるのに評価しないというのは、冷たく切り捨てることではない。

全く逆です。

「何かがあれば必ず私がついている」

何かをしたら褒められるという賞罰ではなく、あなたならできると信じている、たとえダメでも次はできると信じている、またダメでも次を信じている・・・

この後ろ盾でいてあげることが、評価せずに認めるということです。

もし褒める教育で上手くいかないと悩まれていましたら、この文章を是非何回も読んでみてください。

きっと見えてくるものがあると思います。

by You