野生のある風景。

親愛なるあなたへ

先日、奈良公園を散歩してきました。

世界遺産なる古都を一目見ようと海外からのお客さんもいっぱい来られて、その文化的価値の大きさを教えてくださった。

その貴重な文化遺産へはわずか電車で一時間の距離。

なにゆえ中学時代の修学旅行から今まで20年も謎の期間を設けたのか。

有名スポットは近いところほどいかないという法則は真実ですね。

今回はたまたま仕事関係で用事があり、そのついでにブラッとしてこうという趣旨でしたが、思いのほかブラブラしてしまい、奈良の住人鹿にまでオマンマを奉仕するという事態に発展。

以前、日本各地を相当デフォルメしているテレビ番組を見て「大阪はこんなんじゃない、ウソだ」と反感を抱いておりましたが、奈良県の鹿は人間より大切にされているという事実をつきつけられ、納得せざるを得ませんでした。

彼らはいつでも草を食んでる。

芝生をずっとムチャムチャやってるのですよ。

めちゃくちゃ食べるんですよ。

それを見ると草食動物なのだなぁと。

それで、人に慣れてるものですからこちらも大胆に群れの中に突っ込んで触りまくる。

するとしっぽをブンブンと振るのです。

あれが最大級の喜びの表現なのか、邪魔だと追っ払ってるのか判別し難いところですが。

動物の中には体についた虫を追っ払おうとして振る種もいるそうですから・・・。

後者だと僕は虫けら以下になってしまう。

そしたら前者で間違いない。

根拠のない自信を持ちつつ、彼らに特製「しかせんべい」をご奉仕する。

ここでちょっとした事件が。

大人しいと思ってた鹿が急に攻撃的に!

太ももや脛を食まれ青あざになってしまった。

注意の看板は出ていたものの、やはり彼らは野生なのだなぁと。

いくら人の洗脳を受けても本来の姿までは隠しきれない。

それを見て、僕は少し感動したのです。

草食動物でさえ自分の本性を取り戻せる。

いわんや人間様をや。

自分の本性を取り戻す。

そう難しいことではないんじゃないか。

少し野性的になれば(笑)

好物を突き付けられたときにガッと動く原動力、あの力を見せられたときに僕は奈良の鹿さんに尊敬の念を覚えたのであります。

by You