親愛なるあなたへ
人を動かす術。
人の心によく入る。
人との距離感を取る。
そのための方法があります。
僕がいわゆる「いい人」だったときに獲得した術で、最近またそれを取り入れてみるのですけど効果は絶大です。
いい人で育ち、我を出してみて、それからまたいい人に戻って、のバランスの中で分かったことは、人付き合いというのは頭で計算するものではないということ。
計算してやろうとする人を見てきたのですけど、それでは相手に嫌われます。
心理テクニックでは確実に嫌われます。
この人はどんなことを考えているか、どうすれば動くかと頭をひねることではない。
大切なのは、視野である。
どうするかというと、相手をボヤっと見る。
相手の目を見たりしない。
目を見てるのだけど、実は見ていない。
相手の輪郭と背景の境界線が分からないくらいにボヤっと見る。
相手の向こう側、後ろ側を見る。
もちろんちゃんと相手と正対するのですよ。
話もきちんと聞く。
でも相手の姿がものすごくあやふやである。
もう少し言うと、自分と相手の間に薄いガラスがあるような感じで、なおかつボヤっと見る。
自分の心をすべてオープンにするのではなく、警戒心を与えないような薄いガラスを置いてボヤッと見る。
伝えるのが難しいのですけど、感覚としてはそういう感じになります。
相手に劣等感を感じたり、人付き合いがどうも苦手だ、人と会うと緊張するという人は、相手を見過ぎるのである。
どういうことかというと、相手をしっかり見ると「自分と相手」になる。
ところが輪郭をぼやかすと、相手は「大勢の中の一人」になる。
すると不思議なんですけど、距離感が取れるようになるのです。
さらに「大勢の中の一人」という感覚をもっと研ぎ澄ましていくと、どういう風にしたら相手が動くだろうかというのが見えてくる。
そして、相手の心の動きに対しても、自分がフルオープンか、鉄格子でさえぎるかのどちらかだから上手くいかない。
うすいガラスを間に置く。
そうやって、人の性質や心が上手に観察できるようになるとものすごく面白いのです。
劣等感を持ちやすくなってしまうのは、人の性質をよく観察していないだけである。
「相手と自分」だと思ってしまうからである。
ところが相手を「その他大勢」とひとくくりにして見ていくと、そのうち自分との境界線もなくなり、人間としての行動基準というか、性質のようなものに身を置く感覚になります。
すると「我」がなくなってくる。
僕はこれをやり過ぎて昔「いい人」になってしまったのですけど(笑)イメージとしてはこれは使えると思います。
人が苦手だなと思ったら、ボヤっと見る。
是非試してみてくださいね。
by You