親愛なるあなたへ
15年前、一世を風靡した「マトリックス」という映画がありました。
ざっくり話すと、その世界では機械が人間からエネルギーを取り、「マトリックス」というあたかも現実のような夢を見せることで「飼い慣らしていた」のですが、そこから逃れた人間たちが機械軍団と戦う、という内容です。
面白いなと思ったのが、真実を知ってマトリックスから覚める人もいるのですけど、「覚めたくない」と思っている人もいたことでした。
自分が機械の奴隷で、それが夢であっても構わない。
本人は夢の中で何が本当かを求めていたにも関わらず、夢を選んだ。
こういう現象が実は私の周りでもよくあるのです。
お店のお客さんと色んな話しをするのですけど、中には本当のことを「聞きたくない」人がいる。
もちろん知っていいことと悪いことはあるのかもしれないですけど、本人は知りたがっているのに、それを拒否する。
本当のことを知りたい、知りたいと言いながら本当は知りたくない。
「聞きたくないよ」と明らかな反応ならその人は自分のことを分かっているからいいのですが、多くの人は心では求めているのにそれを目の前にすると拒否する自分に気づいていない。
自分の感情はマトリックスによって飼い慣らされたものではないかと考えてみると、少し本当の自分が見えてくるかもしれません。
そう思っているのは本当にあなたですか。
それが正しいと思っているのは、本当にあなたなのでしょうか。
こういう怪しい禅問答をしてみると、結構面白いのです。
by You