the・KITORA。

親愛なるあなたへ

明日香村にあるキトラ古墳

古墳内部の壁に「極彩色壁画」が描かれている貴重な資料として、高松塚古墳とともに特別史跡に指定されています。

発見順序は高松塚古墳の方が先になりますが、キトラ古墳には現存最古の本格的な天文図が書かれているなど歴史的にも学術的にも極めて価値の高いもので、こちらも国宝というすごいもの。

古墳は古代のお墓なので中は部屋。

キトラ古墳には四方の壁に「四神」と呼ばれる「青龍(せいりゅう)」「朱雀(すざく)」「白虎(びゃっこ)」「玄武(げんぶ)」が描かれ、天井に天文図が配置されています。

埋葬した霊を守るため、とも言われています。

古墳内部を見ることはできないのですが、発掘過程からその歴史などを展示した「四神の館」というのがあります。

キトラ古墳の史跡自体は正直「ふーん」という感じだったのですが、フラっと立ち寄ったこの歴史館、それほど広くないのですが感動のあまり2時間くらい居てしまいました。

資料もさることながら、映像と音楽を一体化させて館内のスクリーンに常時映しているのですがこれが素晴らしすぎた。

この四神、大昔に描かれたとは思えないほど「上手」なのですね。

今にも動き出しそう。

あの躍動感、繊細な感覚を当時の技師たちが持っていたということに感嘆のため息と、不思議な親近感が湧きました。

もしかしたら昔も今も人ってそんなに変わらないんじゃないか。

会って話すことができそうな、そんな不思議な感覚を覚えたんです。

古代のロマンもあいまって、そこに静かながら壮大さを連想させる音楽が重なり、ただただ「美しい」としか言っていなかったように思います。

四神にはそれぞれの神様が担っている役割があります。

「青龍」色:青、季節:春、方角:東
「朱雀」色:朱(赤)、季節:夏、方角:南
「白虎」色:白、季節:秋、方角:西
「玄武」色:玄(黒)、季節:冬、方角:北

「青春」っていいますよね。

なので続きがあって、それぞれの年代に合わせて「朱夏(しゅか)」「白秋(はくしゅう)」「玄冬(げんとう)」。

それから大相撲の両国国技館の吊り屋根の四隅の房(四房)は東西南北それぞれの方角にこの四神を意味する色で設置されているそうです。

ロマンですね。

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