飲食店にも、数学が存在する。

親愛なるあなたへ

仕事先でソース作りを学んでいます。

僕が働く飲食店では、お客様にお出しする直前にアツアツのソースを料理にかけて提供するので、作り置きができません。

下ごしらえした材料を組み合わせるのです。

ソースの種類が何十種類とあります。

そのすべてを把握しなければなりません。

以前の日記にも書いたように、ピーク時の厨房は戦場です。

コンマ数秒の遅れが命取りになる世界です。

コンロが6個しかないので、何十種類にも及ぶソースを、お客様のオーダーに臨機応変に対応しながら作っていくのは、至難のワザです。

この順番でいくとこっちが先だから、これとこれを混ぜ合わせて、でも、今コンロがいっぱいだから置いておいて、そっちからやろう・・・

これを一瞬で判断するのです。

時にはお客様から「〜抜き」「ソース多め」のような依頼もあります。

このサイクルを延々と繰り返すのです。

ソース場は、パズルです。

全て、場合分けなのです。

高校の数学で、「場合の数」を習いました。

数式や記号を使って、問題を解いていくのです。

僕は数字を相手にした場合分けがすごく苦手でした。

でも、今の仕事はすごく楽しい。

店長にも、僕の仕事ぶりを認めていただきました。

僕の場合分けの相手は、料理です。

相手が変わると、苦手だった学問も、好きになるのですね。

by You