親愛なるあなたへ
狐の神様で有名な「お稲荷さん」。
祀られている神社は全国に3万を数えると言われ、我々に一番馴染みのある神様の総本山です。
伏見稲荷大社と言えば「千本鳥居」ですね。
朱色に塗られた美しい鳥居がまるでトンネルのようにつながっている。
「インスタ映えする」「キツネのかわいい神様」、何かそういったエンターテイメント的な神社かと思っていました。
しかし私が間違っていました。
いや、間違っていたと言って許されるでしょうか。
本殿でお参りした後、その少し奥に行くと確かにあるのですね、写真で有名な「千本鳥居」は。
しかしそのさらに奥がなぜ有名にならないのか。
これは全くの謎ですね。
伏見稲荷大社はこの奥が本場。
実は、伏見稲荷大社は「稲荷山」という山の麓に立っていて、その山頂を目指すのです。
標高は230メートル程で大したことはないのだと思いますが、その「異様さ」から普通に登山を思わせる。
まず「千本鳥居」と言うと「物の例えだろう」「実際にそんなにないのだろう」と思うかもしれません。
もちろん「千本鳥居と呼ばれる場所」はその通りでどこかの記事で現在は800本ほどだということですが、実はその奥の「登拝」の部分もずーっと鳥居のトンネルが続いているのです。
どこまで行っても途切れない鳥居のトンネル。
しかも山といってもそんじょそこらの山ではなくて、まさに「霊山」。
原生林が生い茂り、どこからか川の流れる音、水のしたたり落ちる音が聞こえ、訪れた時間帯が夕方なのがいけなかったのか暗闇に近い(夜間登拝用の照明はあるのですがこれがまたムーディーで困る)。
さらに私が訪れたときは小雨が降っており、その「何か」が倍増に。
そこに朱色の淡々と繰り返される鳥居が並ぶ。
その数大小を含めると1万を数えると言います。
確かにそう。
その情報を全く知らずに訪れた筆者のような人であっても、登拝を始めたとたんに「いや、絶対これ1000以上あるだろ」。
その薄暗さの中、加えてたくさんのお稲荷さんの像や祠を横に見ながら山頂を目指す。
これらもまた素晴らしく苔むしており、苔マニアならよだれものであろう大自然の芸術。
その数も大小含めなんと1万基。
そして、その祠にこれまた朱色の小さな鳥居の首飾りのようなものが無数に下げられているのですよ。
この異様な光景に包まれながら2時間くらい歩くわけです。
非常に神聖な感じがして決して嫌な雰囲気ではないのですが、途中から「丑の刻参り」を思い出さずにはいられませんでした。
そういう場所です。
普通に登山だ伏見稲荷大社。
普通に丑の刻参りだ伏見稲荷大社(たとえ)。
是非みなさま薄暗くなってからの伏見稲荷大社へ。
p.s.
ただし夜間はイノシシが出るので注意が必要とのこと。
「すぐ離れてください。絶対に餌をあげたりしてはいけません」
わたしも誰もいない薄暗い山の中で一人登拝中「何か大物の激しい動き」があり、心からビビって言われた通り確認することもなく歩を進めました(笑)
p.s.2
もちろん間違いなくパワースポットですので、是非。
by You