息通しの術。

親愛なるあなたへ

浮遊術か壁抜けかそれ以上か、は自信がないのですけど、人類もれなく使えるウルトラCというのがある。

それが「息通しの術」という。

人が死ぬとき、「息を引き取る」と言います。

必ず息を吸って死ぬそうなのです。

息を「引き取る」。

その吸った息、引き取った息はどうするのでしょう。

私たちは生まれるとき「オギャー」と言います。

赤ちゃんは羊水にくるまれて空気を吸ってないのに声を出す。

不思議ですね。

あれは死んだとき最後に吸った息なのだそうである。

科学的にはね、生まれた瞬間に吸ったのか羊水からエラみたいなので空気をためてたのか知りませんけど、不思議好きな人間的にはそういうことなのである。

我々は死ぬ瞬間でさえ次の生につながっている。

生と死はいつもセットです。

それからこれもすごいなと思うのは、生まれるとき私たちは痛みや苦しみを感じない。

実は、死ぬときも痛みや苦しみを感じないそうである。

ものすごい苦しんでいるように見えても、肉体がもがいていても、死ぬ間際、魂が抜け出ているときは痛みや苦しみを感じない。

だから結構気楽に死ねます。

死を怖いなと思う人へ。

死ぬことは怖くありません。

息を吸うだけ。

そして痛くも苦しくもない。

あの世に生まれて、向こうで誕生会を開くだけです。

たったそれだけですからどうか安心してください。

by You