親愛なるあなたへ
人間は言葉を使う動物です。
言葉でコミュニケーションをとる。
だから言葉ってものすごく大切なんです。
ものすごく大切なんですけど、実はもっと大切なものがあるのです。
人類もいきなり言葉を使ったんじゃなくて、進化しながら言語も発達させてきた。
世界の四大文明とか言いますけど、言葉の歴史って生命誕生からみればすごい短いんです。
言葉がなくてもずっと命をつないできた。
それこそ微生物だったときから。
言葉がない時代からコミュニケーションをとってきたんです。
非言語的な形ではあるけど、お互いの意思疎通を図ってきました。
だから、言葉の奥にある「非言語メッセージ」の方が実は大切なんですね。
言ってることは正しいかもしれないけど何だか違うなってこと、あります。
言語メッセージと非言語メッセージが違うときは、必ず非言語メッセージの方に真実があります。
上司が「お前のためだから」って言ってても何だか心が晴れない場合は、本当はあなたのためではないんです。
上司がウサを晴らしているだけです。
「父さんや母さんはそんなの気にしてないよ」って言っても、子供が何だか嫌だなと思うときは、親御さんが必ずガッカリした顔や不満な顔をしてるんです。
それは愛ではない。
言葉を重視するあまり、非言語メッセージを軽んじる傾向が今の世の中にはあります。
何故かというと非言語メッセージは理屈で説明できないからです。
世の中って、理論でできています。
極論を言うとそうなんです。
感情感情って言ってても、理屈を並べないと世の中は理解してくれません。
たとえば「どうして仲良くしないの?」って言われると、仲良くしない方が悪くなってしまいます。
でも、会うと何故か気が重い。
だから仲良くしたくない。
「何となく嫌なんだ」と言うと、身勝手なヤツだなと言われてしまいます。
世の中は仲良くするのが美徳だという理屈があるから理解してくれません。
これは一例ですけど、世の中にはこういうことがいくらでもあります。
社会に出ていくと非言語メッセージが分からずに自分も染まってしまいます。
これは本当に大変なことです。
染まっていることにすら気づかないから大変なのです。
言葉は大切なものです。
言霊の力がありますから。
それともう一つ、生命が何億年という歳月をかけて築き上げた「感性」を大切にするときが来てるのではないかと、僕は思うんですね。
by You