「ただの人」へ。

親愛なるあなたへ

私がサラリーマンをやめて何を一番強く感じるかというと、「ただの人」へ戻るリスクなんですね。

人はみな所属感を持って生活しています。

その所属感があるから心の安定を保っていられる。

ところが普段それに気づくことは滅多にありません。

だから、定年を迎えたサラリーマンが目標を見失い、自分の存在意義を見失い、急に老け込んだり、精神的に不安定になってしまうのだと思います。

それは「ただの人」に戻ることに慣れていないから。

独立するとあらゆる大変なこともありますけれども、「ただの人」の状態から始めて自らの意義や価値を模索していくわけですから、その訓練ができる。

「ただの人」でいることができる。

成功者と呼ばれる人々の精神はさらに洗練されていて、「ただの人」を超えて「本当の自分」と「世間からの評価」の間をバランスを取って渡っていく。

幻想の一つとして「いきなり成功者になりたい」と多くの人が思うと思うのですけれども、普通の人がいきなり成功すると精神的に崩壊してしまいます。

そういう意味でも、試練を乗り越えないと幸せに成功できないから、神様はそういう「ラク」を与えないのじゃないかな、と。
ともかくまずは「ただの人」でいる訓練をしてみようではありませんかと思うのです。

所属感を放棄しろ、ということではありませんけれども、今いるところとは別の自分を想定しておく。

準備をしておく。

今いる環境とは別の何かを探してみるといいんだと思います。

それは小さいことからで全く構いません。

小さな種が育って大木になる。

「ただの人」は、大きな「本来の自分」ということになるんです。

by You