桜島の噴煙。

親愛なるあなたへ

コロナウイルス感染者数が極端に少ない鹿児島県。

現在でも数人というレベルです。

緊急事態宣言が出される大分前でしたけれども、鹿児島中央駅で飲食店の女将さんにお伺いすると「桜島の噴煙でみんな肺が強いんですよ」と。

もちろん冗談でおっしゃっていましたが、私は本気で「これは一理ある」と思ってしまった次第なのです。

以前、「雪国の人は強い、雪を生活の一部として受け入れている」と書きましたけれども、鹿児島県の方は「桜島の灰」。

その生活への影響を我々は想像し得ないでありましょう。

かの女将さんも他県から鹿児島に移り住まれて十数年になるそうですが、やはり生活する前はその影響を全く想像できなかったと言います。

実際にその大変さを体験され「今は慣れました」ということですけれども降灰時の状況と生活環境を伺うにつれ、「鹿児島県民おそるべし」という感想に至りました。

鹿児島の天気予報には「降灰予報」というのがあり、普通の天気予報のニュースに加え、桜島の噴煙レベルと風向きが書いてあるのです。

私はとてもビックリしたのですが、これが日常のことであるならばコロナに打ち勝ってもおかしくはない。

その真偽は定かではありませんけれども、自然を受け入れ、それと共に生き抜く修練を積んだ人間の体には似たような脅威の一つ二つはきっと怖くないのでしょう。

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