観光地と生活圏。

親愛なるあなたへ

京都のほぼ中央部、美山に「かやぶきの里」という集落があります。

JR日吉駅からバスで小一時間ほど。

情報化社会の真っ只中で我々が忘れかけた「日本の原風景」が残されています。

雄大な山々に囲まれたかやぶきの集落。

スーパーもなくコンビニもなく・・・

あるのは空と自然と古の記憶。

自分の呼吸が分かるくらいゆっくりと時間が過ぎていきます。

清々しい気持ちになれる素晴らしいところなのですが、実はこのかやぶきの里、観光地としての顔は半分で、もう半分は「地元の方の毎日の生活」なのです。

ですから普通に洗濯物が干してあります。

築数百年という家々に代々の歴史と伝統に根差した生活がある。

コロナなので観光客の方はそこまで多くないのです、と現地のカフェの女将さんはおっしゃっていましたけれども、普通だったら大変だろうな、と。

何せ自分たちの生活が丸見えなわけですから、それはもう芸能人もびっくりな状態にあるわけです。

マナーの悪い人、日本文化との相違がある外国人の方も多数来られるでしょう。

私であればとても生活できないと思いますが、それでも現地の方は大変ながらも観光業と自らの生活のバランスを非常に上手に取りながら日々過ごされていることに大変な感銘を受けました。

足を運んでいる、お金を払っているとつい思ってしまう「観光者」としての在り方をもう一度考えさせられる体験でした。

by You