世界の翼。

親愛なるあなたへ

一日遅れでパラリンピック開会式を動画で見ました。

選手団の皆さんの入場。

これを見てるだけでとどまることない涙が流れてくる自分にビックリ。

オリンピックいいなぁ、パラリンピックいいなぁ。

世界は一つ。

世界は一つとはこういうことなのか。

オリンピックの開会式は見なかったのですけれども、きっと同じような感動を。

いろんな政治的、経済的、軍事的事情がある中で、全ての垣根を越えて笑顔でお互いが一同に会する。

いろんな国の名前が出てくると、現在の日本との関係や世界における情勢を想像してしまいますけれども、それらを越えた真・善・美の体現。

知らない国の名前が出てくると「世界は広い」と思う。

でも「広いけれども一つ」。

それがきれいごとではなく、全員が本当に一体となって。

「一体」は均一ではなくて「互いを尊重する」。

オリンピックに続き、パラリンピックでもNHKアナウンサーの方が台湾の入場のときに「チャイニーズ・タイペイ」ではなく、「台湾です!」と紹介したのが話題になっています。

理想論ではなく、そうやって目の前で現実となって行進される。

天国があるのだとしたらきっとこういう光景に違いない、と思う。

そんな一時を。

臨席された天皇陛下が生き生きと、手を叩きながら本当に楽しそうに入場行進を眺めていらっしゃったのがすごく印象的でした。

優しいまなざし。

特に日本の選手団入場の時。

全ては一つ。

その中で我々は自分を愛する。

全ての愛と自らへの愛が一つに溶け合う時間と空間。

普段日本人であることを認識しない自分であってもNHKさんの素敵なカットで2度ほど選手団入場中に日本国旗が大きくひらめいているシーンを見たときは涙も滝のよう。

全ては一つ。

自らのアイデンティティを確かめながらも、国を越え、人種を越え、そして「障害」という名でよばれる一部の卓越した魂にしか課せられない究極の運命とともに。

その運命を自らの翼で開く、パラアスリートの人々の物語。

試合の前の時点で、もうすでにその全てを私達に与えてくださる。

勇気と希望と、感動を。

「翼」

選手団入場直後に展開されたミュージカル「片翼の小さな飛行機」。

主演を務められた、演技経験全くのゼロであり若干13歳という若さでありながら、上肢下肢の先天性の障害を乗り越え豊かな表情で見事に演じきった和合由依(わごうゆい)さん。

そしてそれを取り巻く同じ環境を乗り越えられた多彩なパフォーマーの方々。

「私たちには翼がある」

究極の試練を乗り越えた人々がその翼で与えてくださる勇気と希望に、心からの喝采を。

障害と呼ばれるものだけではありません。

自らの運命を受け入れ乗り越えた者が、ソウルメイトが、何を語らずともその姿で、その演技で、その魂の体現だけで感動を呼び覚まされる。

選手団入場のときの涙も相当でしたけれども、ミュージカルのときの涙の量はもう大変。

たまたまIDで使ってる「essor」というのもフランス語で「飛翔」という意味です。

それゆえの思い入れもあるかもしれません。

運命の翼、世界の翼。

その自らの翼で飛び立っていく。

開催直後から世界から絶賛されているその意味がまさに分かる、力強い素晴らしい祭典でありました。

p.s.

魂の祭典を、是非。

sports.nhk.or.jp

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