時と神が宿る旧社地。

親愛なるあなたへ

熊野本宮大社参拝では旧社地「大斎原(おおゆのはら)」に行ってきました。

社殿はもともとこちらにあったのですが、1889年(明治22年)の水害により新たに建てられたのが現在の場所になります。

大斎原の空気は素晴らしい。

川に挟まれた中洲の一角が森になっていまして、森に足を踏み入れた瞬間、外界との空気が変わるのが分かりますね。

さらに、旧社地があった場所は石垣で一段高くなっておりここに足を踏み入れるとまたそれまでとガラッと空気が変わります。

森に足を踏み入れたときは神聖な、外界とをまさに遮断するようなピリッとした「禊」に似たような感覚を。

そして旧社地の石垣の上は、うって変わって明るくて穏やかで清らかで、真冬に行ったのに春うららかな、あるいは新緑芽吹き爽やかな風吹く5月晴れの日のような、「伊勢神宮内宮」を彷彿とさせるまさに「平和の気」でした。

色んな神社を回りましたが旧社地を知る人はやはり少ないですね。

しかしここがまさに神様の宿るところ。

もちろん新しいお社も素晴らしいのですが、神は時と共にあるようである。

大斎原の入り口に2000年には日本一大きい鳥居が建設され、知名度も上がったのだと思いますけれども、そうした「観光スポット」でなくとも旧社地には是非足を運ばれてみては。

悠久の時が今もそこに残る旧社地。

きっと神様とお会いできることでしょう。

p.s.

熊野速玉大社以前、はじめて熊野神が降臨したとされる神倉神社。

こちらはもちろん有名なのですが、それ以外に地元の人しか知らない、知る人ぞ知るという第二の旧社地、「貴祢谷社(きねがだにしゃ)」。

神倉山に降り立った熊野神が次にここに移りそして速玉大社へと鎮座したという。

11年前、私はお世話になったホテルの地元スタッフの方からたまたま教えていただき、今回も間違いなく参詣。

この貴祢谷社、学校と工場が並んだ裏の坂道を上がっていくというほぼ誰も来ないような場所なのですが素晴らしい場所です。

雰囲気でいうとまさに「神域」。

京都は天橋立の根本にあります元伊勢・籠神社(このじんじゃ)の旧社地・眞名井神社(まないじんじゃ)がものすごい「聖地」として過去にご紹介したことがあるのですが、ここと全く同じ空気感でした。

熊野三山参拝で新宮を訪れた際は、是非。

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