シンプルが一番難しい。

親愛なるあなたへ

「シンプル」は「何もない」のではなくて、言うなれば「考え尽くされた一本の流線形」のようなものだと思います。

例えばお部屋作りにしても何もないのが一番シンプルかもしれませんが、必要なものを置き快適に生活できて、さらにはデザインにまでこだわるならばいかにシンプルが難しいか分かるでしょう。

もちろん全てを取っ払ってもいいのですが、シンプルの最終定義が「心地よさ」なのであれば、諸々の条件を考え尽くされたまさに「神意」であると。

科学においてもそうですね。

現在、重力など大きな物体の動きはかのアインシュタインがまとめた「たった一本のシンプルな方程式」なのですが、その内実はとてつもない難解な内容を含んでいます。

人間の心においてもそう。

「何も感じない」、要は「自ら(我)が感じる」というのを捨て去るのが最もシンプルな答えですが(「解脱」と言いますけれども)、ここに行きつくまでにはお釈迦様でさえ死ぬ寸前まで自分を追い詰めた修行をしないと到達できない。

天才たちが、その持てる時間全てを使って命を賭して突き詰めないとシンプルは分からない。

そのくらいシンプルは難しい。

でも目指す価値の大いにあるものです。

どんな分野でもいいからシンプルを極めれば、一つ人生を極めたと言っても過言ではないのでしょう。

by You