人工物と天然物。

親愛なるあなたへ

理論と感性の融合。

人間は自然で育ったのだから「天然の方がいいに決まっている」「自然の方が優しいに決まっている」。

基本はそうかもしれませんが、現代の科学技術はすごい。

掃除しまくりの昨今、当方2階建てのマンションですが初の最上階住まいということで屋根裏を覗いてみると(さすがに掃除はできませんでしたが撮影だけ)、そこには「断熱材」が。

撮影のために入れた手がかゆくなったので調べてみると、現在断熱材として広く使われているのは「グラスウール」というものだそうです。

かゆみはあくまで「物理的な刺激」だそうで、健康被害はないそうですね。

完全人工物で繊維が太く作ってあり、肺に入りにくく、そしてたとえ入ったとしても吸収され排出されやすいのだそうです。

反対に騒がれた「アスベスト」。

こちらは意外にも「天然物」。

グラスウールと見た目がそっくりだそうですが、繊維の構造が非常に細かく、肺に入り込み発がん性も確認されているとのこと。

こういう情報を得ると天然のものが全ていい、という神話が崩れます。

医学でもあるあるだそうで、漢方は天然由来だから安全と思いきや使用法を間違えると劇物があるのだとか。

ちなみに人工物で最強の毒性を持つのがダイオキシン(中でも2,3,7,8テトラクロロジベンゾパラジオキシン)で青酸カリの数万倍。

しかしこの世で最も毒性のある物質は天然物であるボツリヌス菌が生産するボツリヌストキシンAだそうで、ダイオキシンの数千倍と言われています。

自然は優しい??

我々は未熟な段階から本来の自然へ近づく一つの手法として科学を用いる。

常に科学が正しいわけではないけれど、冒頭に書いた理論と感性の融合、人工と自然の融合で正しい見聞を得ていきたいものです。

by You