冬と黒と内面の出会い。

親愛なるあなたへ

今年三回目の秋田への方位取り旅行。

前回の荒天真っ只中の着陸と打って変わり、穏やかなフライト。

しかし眼下に眺めるは全くの別世界。

鋭い峰々。

立ち並ぶ針葉樹と立ち枯れたかのような広葉樹の群。

白い底に閉ざされた大地に家々が点々とどこまでも続く。

平され、ある意味極度に均一化された世界。

美しい。

冬に来るのがいい。

北国のエネルギーの真骨頂を感じる。

ピリィッッッッッと、何か背筋を正されるような、そんな凛とした空気の中。

エネルギー溢れるのは南国の夏だけど、それをまるで「ただ一点に閉じ込めた」ような。

閉ざされた中に秘められし無限、何か得体の知れない空恐ろしささえ感じさせる。

越後湯沢で雪がシンシンと降り積もる。

大学受験で金沢を訪れた際、途中の下車駅で旅人の最初の琴線が激しく揺れる。

いつぞやの記事にも書いた旅の初めての感動であり、そして全ての始まりでありました。

極寒や雪と共に住まうほどの根性はないひ弱な人間であるけれど、ルーツが北陸にあり一白水星の本命星であることも関係するのか、この白の世界がものすごく落ち着く。

そしてともすれば忘れそうになる感動を呼び覚ましてくれる。

荒れ狂う日本海、雪に埋もれる北日本の西海岸は「暗い」「寂しい」というのが正直なところかもしれないけども来てしまうのですね。

明るい波動大好き、都市部の陰の気はイヤホンで防御するほどの小生を何故か呼ぶ。

そんな不思議な魅力。

雪に埋もれた市街地、それだけでも美しい。

もうそれだけで一つの芸術作品である。

観光地もいいけれど、その雰囲気を消した生身の生活が息づく強さ。

冷たい人がいても、その強さの一つの表れとして多少許せてしまったり。

冬と黒と内面の出会い。

私はこの閉ざされた時期、現地に住まう人々の真の強さと出会う度、自己の内面に幾度となく触れそして魂が磨かれるような気がするのです。

そんなすごい世界です。

心より感謝しています。

本当にありがとうございます。

by You