親愛なるあなたへ
「無駄遣いしてはいけません」と言われます。
正しい金銭感覚をつけるための教育が、叫ばれています。
正しい金銭感覚というのは、物の相場を学ぶことに加え、「このくらいの所得で生活している人は、こんな価値観を持っているのか」ということを学ぶことです。
「無駄遣いしない」というのは、「もったいない」という精神を大切にしている人の価値観を学ぶ、ということです。
物を大事に扱う、お米を最後の一粒まで食べる、というのはとても大切なことです。
物にも魂が宿っていますから、粗末に扱えば、物からの反作用であなたも粗末な人間になってしまいます。
しかし、ここで大切なのは、「もったいない」精神にしがみついてはいけない、ということです。
「もったいない」という精神自体が「目的」になってしまってはいけないのです。
「もったいない」精神は、自分の価値観を広め、自己実現へつなげていくための「手段」なのです。
切り詰めて生活する必要もないのに、「もったいない」を連発してしまう人がいます。
お金を持っていて「もったいない」という人は、「もったいない」精神の奴隷になってしまっている場合が多いのです。
お金に余裕があるならば、お金をたくさん使って生活している人の価値観も知ることです。
僕は、転職してから「もったいない」価値観で生活する環境に変わりました。
前の会社ではお給料をそこそこもらえていたので、大好きなお酒や、趣味、遊びにたくさんお金を使いました。
しかし、これからのお給料を計算すると、1ヶ月間何も買わないで、かつ食費を抜いても、赤字になります。
残業しないと、食べていけないのです。
残業しても、一食200円以内です。
毎日十分な量を食べていけるか、分かりません。
貯金も、それほどありません。
これまで通り生活したら、数ヶ月で底をつくでしょう。
これまでとは、全く違う世界です。
今は、ご飯とふりかけか、安いスパゲッティーの素を買ってきて調理しています。
でも、全然苦ではありません。
新しい価値観を学べているな、と考えているからです。
しかし、ずっとこの生活を続けようとも思いません。
いつか、億万長者の生活も体験したいと思っています。
今までは「普通に満足する生活」を体験し、これからは「極貧生活」を体験していくので、将来は、仕事で一発当てて「億万長者の生活」をします。
お金は、流動的なものです。
水と一緒で、一箇所に留まると、淀んでしまいます。
淀んだお金と一緒に生活していると、運気も下がってしまいます。
お金は、あるときはあるなりに、ないときはないなりに、臨機応変に使うことです。
そうすると、もっと広い視野で世界を見ることができます。
お金をたくさん使うと、お金がなかったときに学んだ「物への愛情」を忘れてしまうのではないか、と心配する人がいます。
でも、全く心配無用です。
お金がなくて、本当に大変な時期を過ごした人は、お金を持っても、必ず物を大切にします。
物を大切にするというのは、捨てずにとっておくということではなく、きちんと消費してあげるということです。
愛情をもって使い、新しいものがきたら、「今までありがとう」と言ってスッとお別れするのです。
人間関係と一緒です。
イジイジ、ネチネチしていると、物にも嫌われてしまいます。
お金と物を上手に使える人は、しっかりした人間関係も築くことができる人なのです。
by You