親愛なるあなたへ
子供のころから、食事のときに好き嫌いをしてはいけませんと言われます。
そして、人間関係でも、人の良いところを見つけて好きになるようにしなさい、と教えられます。
これは、子供にとってはいい教育になります。
世の中が相対であることを学ばせるためです。
大人になって世間の風に目いっぱい当たると、今度は好き嫌いができなくなってしまいます。
世間体を気にし出すからです。
「好き嫌いをすることはみっともないことだ」という通説が体に染みついてしまうのです。
男は律儀な生き物ですから、特に注意しなくてはなりません。
物事が相対であることを学んだら、自分の好みを優先させることです。
好き嫌いのない均質な世界は、大人の世界のようであって、実はそうではありません。
仕事場では、「公私の区別をつける」というルールがあります。
これは、組織がうまくまわるためにとても大切なことです。
一日のうちで会社にいる時間がほとんどですから、「公」の場で自分の好みを抑圧した時間ばかり過ごしていると、自分の好みを見失ってしまいます。
好き嫌いをなくすと、個人のアイデンティティーが失われます。
その人が本来持っている魅力がなくなってしまうのです。
仕事の好き嫌いがあっていいのです。
人の好き嫌いがあってもいいのです。
自分の好みをいかに明確にできるかが、大人になってからの魅力になるのです。
by You