テレビゲームから学んだのは、絶対に諦めない力。

親愛なるあなたへ

僕がテレビゲームから学んだのは、絶対に諦めない力です。

テレビゲーム「風来のシレン」は、倒されるとレベルが1に戻ってしまいます。

でも、ゲームのキャラクターのレベルが1になるだけで、経験やテクニックを通してゲームをしている人間のレベルは確実に上がっているのです。

このゲームが大ヒットした理由もそこにあります。

キャラクターのレベルをただひたすら上げて敵を蹴散らす従来のゲームにはなかった、毎回違うシチュエーションでプレイすることで自らを磨くというスタイルを確立しました。

テレビゲームには「表面」と「裏面」があります。

表面は比較的簡単です。

初めは難しく感じますが、コツさえつかんでしまえば簡単なのです。

裏面は、難しい。

小手先のテクニックでは通用しないからです。

攻略本にはヒントしか載っていません。

攻略本を買っても、裏面をクリアすることはできないのです。

あらゆる場面で運も含めた自分の判断がカギを握ります。

そして何よりも大事なのは、絶対に諦めないことです。

僕の目標は裏面をクリアすることではありませんでした。

裏面のクリアは表面よりは難しいですが、それでもできるのです。

僕が目指したのは、攻略本の挿絵にサラッと載っているすごい画面です。

パッと見は分からないですが、よくよく見るとものすごいのです。

クリアだけを目指す人なら目にとまりません。

この本を編集した人はこんな状態にするためにどうやったのだろう、とドキドキするのです。

すると、ゲームのエンディングはもはやどうでもよくなります。

すごい画面を再現するため、やられては挑戦し、やられては挑戦しをひたすら繰り返すのです。

周りからは「よくそんなに同じことばかりやるね」と言われていました。

努力していた意識はありません。

楽しんでいたのです。

諦めないエネルギーは「オレは頑張っている」という悲壮感からは生まれません。

絶対に諦めない力は、誰が何と言おうと自分が楽しいと思えるものを、ただ楽しむことができるところから生まれてくるのです。

by You