謎のままにしておくのも、美学だ。

親愛なるあなたへ

久々に飛行機に乗りました。

展望ロビーで飛行機が飛んでいくのを見るといつも感動します。

翼と小さなエンジンだけで、その何倍もある巨大な塊をよく宙に持ち上げられるなと感心します。

飛行機はジュラルミンという金属で強風で機体が浮いてしまうほど軽く作られています。

それでも、人間が何百人と乗った上に燃料や荷物まで含めたら相当な重量です。

そんなものが空を飛ぶのは神秘としか言いようがありません。

どうして空を飛ぶのだろうと考えるのが、科学出身の僕のクセです。

ベルヌーイの定理」という法則で飛んでいると習いました。

でも、毎回感動しているときは、そんなことはどうでもよくなっています。

理由を知っているのに「あんなものがよく飛ぶな」と子供みたいに騒いでいます。

現象の根源を突き詰めるのはとても大切なことです。

一つの物事を徹底的に追及する価値は、計り知れない。

僕も脳がちぎれるくらいに追及したから、天命に出会え、本物の自信を知ることができたのです。

豊かな世の中に貢献している現代科学も「なぜ?」という知的好奇心のたまものです。

でも、「なぜ?」という疑問自体にも実は価値があるのです。

それは「分からない」という美学です。

分からないことは恥ずかしいことではありません。

分からないから、知りたいという知的好奇心が生まれるのです。

大学時代に「謎は謎のままが一番美しいですね」と言っていた面白い友人がいましたけれども、今では心から納得しています。

謎は、感性を磨いてくれます。

想像力を鍛えてくれます。

理由が分からないならこれはもう想像するしかありません。

理屈を予測するのではなくて、心で感じるのです。

想像するのは恥ずかしいことでも何でもありません。

想像も空想も妄想も、そこに感動というエネルギーが加われば、必ず「創造力」に変わるのです。

p.s.
飛行機が飛ぶ理由は、本当は一筋縄ではいかないようです。

マクロな視点とミクロな視点からの違い、分かっているような分からないような・・・というのが、また美学ですね。

by You