愛っていうのはね、相手が助けてほしいときに助けることです。

親愛なるあなたへ

人を助けるというのは素晴らしいことですよね。

助け合いが愛の一番の姿です。

ところがですね、助け合いが歪んでいることがたまにあるんです。

助けるっていうのは、相手が一番苦しいときに助けることなんです。

それは相手のためです。

自分のためではありません。

それを、自分のために助ける人がいます。

自分を満たそうと相手を助ける人がいる。

どういうことなのかというと、自分で追い詰めておいて相手が追い込まれたところで助けを出す。

ビックリするような話かもしれませんけど、これをやってる人は本当に多いです。

心理学ではこれを「マッチ・ポンプ」と言います。

自分で火をつけておいて自分で消す。

そうして善人の顔をする。

モラル・ハラスメントの典型的な例です。

外からはすごく分かりにくい。

追い込むのは「心理的」にです。

心理的に追い込んでおいて、心理的にあるいは物理的に助ける。

お金がない状態に追い込んでおいて「帰っておいで」という。

「お前なら絶対大丈夫だよ」と本人に自信を持たせない。

ひたすら不安を煽って恐怖を植え付け、心理的に追いこんだ後に優しい言葉をかける。

ちょっとした物やお金をあげる。

自分のところに帰ってくるように仕向けるんです。

しかも自分が助けたいからだと言わない。

「あなたが求めるから助けるんだよ」というスタンスをとる。

助かるのも確かだし、与える方も本気で愛だと思っているし、第三者からも美徳に見えるから、苦しんでる当人は心のよりどころがなくて潰れてしまうんです。

もちろん職場にもいます。

職場では「イジメ」という形で相手を縛る。

つまり、最初は助けないんです。

何も分からないから教わるしかない。

教えてもらえないと困るから、相手の言うことを聞こうと思う。

言うこと聞くと加害者は助ける。

するとこの人の言うこと聞いていれば助けてもらえるからと心理的に捕まっていく。

でも、相手は本当はイジメて支配するのが目的だから、ピンチのときは絶対に助けないんです。

都合がいいときにちょっと助ける。

このアメとムチを巧妙に使い分けるから、何も知らない真っ白な人が染まっていくんです。

親でも先生でも上司でも、モラル・ハラスメントをする人は相手からエネルギーを奪います。

エネルギーを奪おうとするから自分から離れることを許さない。

自由を許さないんです。

だけどいい人でいたい、立派な人でいたい。

この歪んだ心理がマッチ・ポンプ型の人間を生み出します。

これがおかしいと誰かが分かれば問題ない。

でも、実際は加害者にも被害者にも、そして世間の第三者にもそれと分からないんです。

だから人は苦しみます。

愛に包まれていると言われながらも何かがおかしい。

被害者は自信を持てない上に誰も理解してくれず「あなたの考え方がおかしいんだ」と言われるから救いようがないんです。

今の日本にはこういう人がたくさんいます。

それでそれに気づかないからこんなに暗い。

一代で終わればいいのだけれど、そうはいかないから始末が悪いんです。

被害者は被害者で終わらないんです。

今度は必ず加害者にまわる。

おかしいと思いながらも助けてくれたんだから相手はいい人だと思い込むんです。

すると、それが愛なんだと思い込む。

正義だと思い込む。

その愛・正義だと思い込んだものを次の世代にやるんです。

被害者が加害者にまわるときには特徴があります。

親がイジめるわけないじゃないか、先生が裏切るわけないじゃないか。

こういうことを言います。

一番苦しいときにさらに追い込まれた経験があるにも関わらず、助けてくれた恩義を大きく感じる。

本当はそれは愛ではなくて執着から来る心理操作であるにも関わらず、それを愛だと思い込む。

すると、同じことを下にやるんです。

この、本当に巧妙に隠された心の闇を明らかにしなければ今の日本は決して豊かになりません。

日本は助け合いの国です。

災害が起こってもお互いに支え合う。

そんな素晴らしい国に、深い闇が迫っています。

悪は悪だと分かれば問題ありません。

「それは悪だ」と叩けるから。

でも、一番の悪魔は善の仮面をかぶった悪です。

本当の愛を学びましょう。

覚悟を持って助けることのできる愛が、本当の愛の姿なんです。

愛に包まれていると言われながらもあなたが幸せになれない、あるいは他の幸せを見ると何故かイライラするときは、ここに書いてあることが本当の原因です。

知ることができたのだから、もう大丈夫です。

分かっている人がここにいます。

見抜いている人がここにいます。

だから、これからはずっと幸せですよ。

p.s.

以前ご紹介した「モラル・ハラスメントの心理構造」(著:加藤諦三)をおすすめします。

両親への恨みだ、極論だと色々言う人もいますけど、人間の心の闇に光を当てた素晴らしい本です。

加藤諦三さんは本当に勇気のある方だなと思います。

この本を読んで違和感を感じる方は、もしかしたら加害者予備軍かもしれません。

でも、知ることができたあなたはもう大丈夫ですよ。

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