末広がりをまとう国。

親愛なるあなたへ

ラッキーナンバーというのがあります。

アメリカでは「7」がその代表格に当たる。

ラッキーセブン。

パチンコで燦然と輝く横文字が日本に定着するまでにありがたい数字である。

ところが、日本にも同じようなラッキーナンバーがあるのをご存じでしょうか?

それが「8」。

日本は八百万の神々の国である。

野菜を売ってるのは八百屋さんである。

8は「八つ」という意味ではありません。

日本には八百万人の神様がいるのではない。

八百屋さんには八百種類の野菜があるのではない。

八の漢字を見ると、下が広がっています。

これを「末広がり」と言います。

八とは無限に広がることを表す。

「とんでもなくいっぱい」である。

日本にはとんでもなくいっぱいの神様がいる。

八百屋さんにはとんでもなくいっぱいの野菜がある。

本来の意味はそういうことです。

数字にしてみるともっと面白いのですけど、8を横にすると∞になる。

∞は数学的に「無限」を表す。

日本人が漢字を勝手にもじっただけでなく、そもそもの意味を十二分に引き出している。

日本は無限の意味を知っている国。

だからもっと一歩出てもいいと思うのです。

何を言いたいのかというと、日本人というのは本当に控えめで、可能性というのを何か自分たちとは縁のないものだと思っている。

島国には島国の、村文化には村文化の良さがあると思いますけど、日本人はもっと冒険してもいい。

日本の片隅にいる一若造が、そんな大それたことを時々考えてしまうのです。

by You