1グラムな死生観。

親愛なるあなたへ

個人的にはですね、世の中は死というものに過剰な意味を与え過ぎているのではないかなぁ、と思っています。

「とりあえず今世のお役目は終わった」のですから。

先日、女性の泣きわめく声が聞こえたのでマンションの玄関を開けて下を見ると、残念ながら猫ちゃんが車にひかれてしまっていたのですね。

ご本人の猫でもなくまた現場を見たわけでもないそうですが、ご自身も飼われていらっしゃるという心の優しい方だったので、何か通じるところがあったのでしょう。

夜道に一人泣き崩れどうしようもない状態でした。

ビックリして私も最初は優しさを振りまいていたものの、そのうち素が出て「見た目痛いけど魂は全然へいき」「また生まれ変わってくるんですよコレが」と変な話が始まるとその方はピタッと泣きやまれました。

「それじゃこの子お預かりしますね〜」「手、洗ってくださいよ」とヘラヘラする私に「よろしくお願いします」と頭を下げられ帰って行かれました。

お叱りを受けるレベルの軽さだったはずなのですが・・・。

人はみんな、心のどこかで「死」をもっと身軽に受け止めたいと感じているのだと思います。

私が変な話が好きなのも一つ、そしてお墓に堂々と上って洗ったり、骨壺に「どうもどうもお疲れ様でした」と香典を提出する奇怪な行動をとる理由も一つと、そのように思うんですね。

p.s.

猫ちゃんは「秘密の猫天国」へお連れして、十数匹の野良猫サマたちと一緒に「お葬式」をしてもらいました。

不届き極まりないですが「なかなかシュールな図」で。

キレイなお花もいっぱい、魂も浮かばれたように思います。

by You