藍の色。

親愛なるあなたへ

美山かやぶきの里散策中、「小さな藍美術館」という看板を見つけました。

いざ「かやぶきのお宅」へお邪魔すると一階が藍染めの工房、二階が作品展示室となっています。

個人的に藍染めの現場を見てみたかったので非常に興味深く、また感銘を受けたものがありました。

藍は植物を発酵させてあの独特の青みを作り出すのだそう。

菌との共生、ですから冬は煉炭を焚いて染料の壺を「温めてあげる」のだとか。

色入れをして吊るしてある繊維、そして織り込んだ作品群。

化学合成では決して出すことができない自然でやわらかく、かと思うと吸い込まれそうな力を持つ藍の色。

作品の傍らにある一枚の紙。

ーーーーーー
この地で出来る繭や綿、山に生える植物、単純な道具、縦横の縞、簡易な織り方、村の女たち。こんな無造作な世界で、此静な渋い布が育つのである。どこから此様な色調や変化や、また柔らかみや潤いを捕へてくるのか。そこでは人間の知識が沈黙している。それなのに美しいのである。何か彼を超えた力が加護しているのである。それだから美しいのだと、そう丹波布は私達に語りかける。
柳 宗悦 『工藝』6号 昭和6年
ーーーーーー

藍は自然と一体の色でありました。

by You