親愛なるあなたへ
神社のお参りで美しくなる作法の続きをもう一つ。
「拍手(かしわで)」の打ち方につきまして。
こちらも前回にご紹介しました御本から。
拍手は「パンパン」と2回手を叩くことでありますが、ただ手を叩く、という中に実に深い意味が含まれると言います。
まず手を揃えて、次に、叩く前に「右手」を指の関節ひとつ分手前に引きます。
そして2回パンパンと叩き終わったらまた手を揃えるように戻してお祈りをする。
これが正式な作法なのだそうです。
最初に手を揃えるのは、左手が「男神」・右手が「女神」であり、男女の神様の結合・調和を表している。
手を叩くときに右手を手前に引くのは、我々の世界は「霊主体従」であり、左手が「霊」・右手が「体(肉体)」となり、人の根源にあるのは霊(心・精神)で肉体はそれに従うものだ、という考え方から。
そして最後、手を元の位置に揃え直すことで「霊魂と肉体の二つの完全なる調和を祈る」のだそうです。
天地開闢(てんちかいびゃく)。
「パン、パン」という音は天地開闢の音である。
すべてが混沌とした中から天が開け地が生まれ、この全ての世界が始まったときの音。
科学でいう「ビックバン」に近いイメージなのかもしれません。
我々人間には想像し得ない光明溢れ神威満ちる果てない祈りを込めた音霊。
たった二回の拍手のためだけにその意味に触れ、そして気持ちで臨むと世界が始まった美とロマンにつながる、街中に点在する身近な神社はきっとそんな素晴らしいところでありましょう。
by You