旅の侘び寂びである我が国。

親愛なるあなたへ

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」

今回は方位取りで京都府は福知山から宮津にかけて。

大阪から「特急こうのとり号」で兵庫から海の京都へと南北を縦断。

京都や兵庫は「内陸側・瀬戸内海側」「日本海側」の二つの顔を持つエリアです。

南の方は雪が降らないけど日本海側は一転して豪雪地帯となる。

川端康成「雪国」の冒頭のようにはいきませんけれども、福知山駅から京都丹後鉄道に乗り換え北上すれば、それまで霜〜うっすら程度であったものが急激にぼた雪に変わる。

そんな二つの文化を持つ場所にはどこか異世界のような旅人心をくすぐる魅力が隠されていますね。

日本は狭い国土ながら非常に多くの表情を持つ。

日本人は諸外国に比べて圧倒的に一人で旅する割合が高いのだそうです。

そんな国民性には、きっと先の表情豊かな「わびさび」にも通じる何かがある。

「旅をする」

「一人旅をする」

そんな愛する我が国土を知りたい。

旅というのは「愛する風土の知恵の探求」でもあると、そのようにも思う時があるのですね。

p.s.

最初にご紹介しました有名な冒頭文は、水上から湯沢にかかる「清水トンネル」がモデルと言われています。

小生も北陸新幹線が完成する前、上越新幹線で「越後湯沢」まで出てその後特急で金沢まで行くという経路を何度か使っていたことがありましたが、本当にそうです。

まさか舞台のモデルとは知らず、初めてその衝撃的・感動的な光景と出会ったときにはしばし恍惚の表情で「トンネルを抜けると・・・」が頭の中を何度もリフレインしていました。

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