親愛なるあなたへ
ウサギさんは足が速いので、ピョンピョン飛んでゴールまですぐに着くことができます。
カメさんはのっそのっそと地面を見ながら歩いているので、ちょっとやそっとじゃゴールまで辿りつくことができません。
でも、ウサギさんは途中で少し休むつもりが、眠ってしまったので、カメさんに先にゴールされてしまいます。
ウサギさんは何故途中で休んでしまったのでしょう。
疲れていたからではありません。
ウサギさんはピョンピョン跳ねることができるので、遠くの方がよく見えます。
ゴールまであとどれくらい、というのがすぐに分かるのです。
今はこれくらい来たな、でもまだ大分遠いな、ちょっと休むか、となったわけです。
近かったら近かったで、もう目の前がゴールだ、と、ゴールした気になって安心してしまうのです。
カメさんは、低い地面をのっそのっそと歩いているので、ゴールが見えません。
目の前の地面しか見えていないのです。
ゴールまでの距離感が分からないのです。
でも、ゴールまでの距離感が分からないから、どんな状況でも一歩一歩、のっそのっそと歩いていったのです。
目の前のことを着実に進めることは、何かを成し遂げるための不動の真理です。
カメさんは、何の目標、計画もなく歩いていたのではありません。
目には地面しか映っていませんが、心の中にはまだ見ぬゴールが常に映っているのです。
夢を持って進んでいくと、どうしてもウサギさんになりたいと思ってしまいます。
自分が夢のどの段階にいるのかを、知りたくなってしまうのです。
でも、その必要はありません。
目の前の道を、一歩一歩進んでいけばいいのです。
自分の心にまだ見ぬ理想がある限り、迷うことはありません。
「鈍歩永志」という言葉があります。
夢は、カメのようにゆっくりと着実に追いかけろ、という意味です。
「鈍歩永志」は、僕にとって宝の言霊です。
by You